前田侯爵家別邸
(鎌倉文学館本館)

昭和11年(1936)/設計:渡辺栄治、施工:竹中工務店
鎌倉市長谷1-5-3


現在残っている鎌倉3大邸宅のなかで、文句無しにNo.1の旧前田侯爵家別邸。

三方を山に囲まれた南向きの谷を丸ごと別荘にするという贅沢さ。

明治から昭和初期にかけて別荘地として発展した鎌倉の往時を充分に偲ばせてくれます。
現在の敷地は縮小されていると思いますが、それでも9000坪を超える広さを誇ります。

この場所は鎌倉時代に北条政子が頼朝の菩提を弔うために建立、焼失した長楽寺の跡地であり、
前田家15代当主の前田利嗣が別荘地として手に入れたもの。
現在残っている洋館は16代当主の前田利為が完成させたものです。

戦後はデンマーク公使、佐藤栄作元首相が一時別荘として使用していたこともあり、
また、三島由紀夫の小説のモデルにもなったりもしました。

昭和58年に鎌倉市に寄贈され、鎌倉文学館として一般公開されています。

正門を入ると招鶴洞というトンネルをくぐります。個人の家のエントランスとしてはあまりにも立派過ぎて唖然としてしまいます。

登りつめると玄関の車寄せにたどり着きます。緑に囲まれていて別荘としては素晴らしい雰囲気です。

綺麗な芝生の庭からは山に囲まれた青い屋根の邸宅がそびえるように見えます。

ハーフティンバーを基調としながらも和風を取り入れた独特のデザイン。
品のいい格調の高さを感じることができます。

六角形の張り出しやベランダにスパニッシュ風なデザインも見受けられます。